ベジタリアン情報ページ
ベジタリアンとは?
栄養機能
ビタミンB12
  • 乳、卵なども摂らない純菜食者は、一日に海苔全版1〜3枚、または酵母(ビール酵母など)2匙、もしくはビタミンB12サプリメントを摂って下さい。
  • 乳や卵などを摂るベジタリアンは全く問題ありません。
1) ビタミンB12について
 ビタミンB12は必須栄養素で、造血や神経細胞の発育などに関わっている重要なビタミンです。
 必要量は一日2.4μgときわめて僅かなため、一時的に摂取を止めても、体内の備蓄分で賄えます。しかし長期的に摂取しないと欠乏症になります。特に妊婦にとっては重要で、欠乏していると胎児の脳・神経系統の発育に重大なダメージを与えることがあります。
2) ビタミンB12の摂り方
 ビタミンB12は植物には存在せず、純菜食者は摂取できないと言われていました(大豆発酵食品やスピルリナなど藍藻類に含まれるビタミンB12は、効力のある活性型B12でなく、不活性のビタミンB12類似体)。
ところが最近、海苔(日本で普通に食べられているもの)に活性型ビタミンB12が含まれるとの研究発表がありました(下欄参照)
乳、卵なども摂らない純菜食者が海苔(四万十ノリ、またはあまのり類のスサビノリ=浅草海苔)だけで摂る場合は一日に海苔全版1〜3枚(味付け海苔など一口大のものでは8〜24枚)が必要です。(一日所要量2.4μgを海苔全版4g中で摂る場合)
 また、酵母にもビタミンB12は多く含まれています。酵母(ビール酵母など)では一日大さじ2杯でOK。
 乳、卵を摂っていれば全く問題ありません。

大阪府立大学[学報](号外第1号平成13年3月27日)より抜粋:

食品中のビタミンB12 の新規な定量法の開発とビタミンB12 の栄養評価
AU:阿部捷男 博士(農学)

B12は動物性食品にのみ含有されると考えていたが、藻類などの植物性食品にも相当量含まれていることがわかってきた。厳格な菜食主義者にとって藻類はB12の供給源として重要であるが、その栄養価については疑問視する研究者も多い。そこで、食用藻類に含まれるB12の含有量、特性ならびに栄養価を検討した。

市販されている数種類の食用藻類のB12含有量を微生物法と化学発光法で測定した結果、緑藻のスジアオノリ(四万十ノリ)と紅藻のスサビノリは多量のB12(20-70μg/100g乾燥重量)を含有していた。また、両者のB12含有量は微生物法と化学発光法でほぼ同一の値を示し、その殆どは生理的に有効なOH-B12であった。また、これらのノリはコンブなどに比べヨウ素含有量が低く、多量に摂取してもヨウ素の過剰摂取とならないことが明らかとなった。(中略)

マイクロウエーブは電子調理器具として一般家庭で広く利用されているが、食品中のB12は電子レンジ処理ではかなり(〜40%程度)損失(分解)することを明らかにした。その時生じるB12分解物を単離し、その化学的性質や生理活性を検討した結果、電子レンジ加熱は食品中のB12を短時間で著しく減少させるが、その分解物には生理的量においてB12拮抗作用や毒性がないことを明らかにした。

食用藻類、特に緑藻のスジアオノリ(四万十ノリ)と紅藻のスサビノリは多量のB12(20-70μg/100g乾燥重量)を含有していた。ノリに含まれるB12の生体利用性をB12欠乏ラットを用いて検討した結果、肝臓中のB12含有量はノリ添加食群で有意に増加し、特に補酵素型B12が増加していたことから、ノリがよいB12供給源として機能していることを明らかにした。

栄養補助食品として市販されている数種類のクロレラおよびスピルリナ錠剤中のB12の性質を検討した結果、クロレラ錠剤から単離されたB12標準B12であったが、スピルリナのB12Pseudo-B12であり、B12の供給源にはならないことを明らかにした。
長期にわたる厳格な玄米菜食者における血中ビタミンB12レベル
AU:鈴木英鷹 (健保 長堀診療所)
JN:Z0697A (0371-1900) 綜合臨床
VN:VOL.45,NO.3 PAGE.595‐598 1996

(要約)10年以上の完全玄米菜食歴を持つ11名を調べた結果、10名の血清ビタミンB12値は基準値内だった(うち2人は菜食歴42年、48年)。1名は基準値以下だったが巨赤芽球性貧血やビタミンB12欠乏による臨床症状(神経症状,精神症状,知能障害など)はなかった。
玄米を食する若いvegan(純粋な菜食主義者)における血清ビタミンB12レベル
AU:SUZUKI H (Social Insurance Inst. Nagahori Clinic, Osaka, JPN)
JN:F0733A (JNSVA) (0301-4800) J Nutr Sci Vitaminol
VN:VOL.41,NO.6 PAGE.587‐594 1995

(要約)7〜14歳の完全玄米菜食者6名を調べたところ、ビタミンB12欠乏者は一人もいなかった。血清中のビタミンB12レベル、赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビンなども雑食の群と比べて有意差はなかった。この菜食者群は海苔を毎日2〜4g摂取していた。
厳格な生菜食に長期間徹している者(厳格な菜食主義者,ベガン)のビタミンB12は現実を表した状態となっている
AU:RAUMA A‐L, TOERROENEN R, HAENNINEN O, MY KKANEN H (Univ. Kuopio, Kuopio, FIN)
JN:E0050A (JONUA) (0022-3166) J Nutr
VN:VOL.125,NO.10 PAGE.2511‐2515 1995

(要約)純菜食歴平均5.2年の男女21名を対象にした調査では、多量の海草を食べていればビタミンB12は確保出来るが、発酵食品や海草を通常量食べただけでは充分な量は確保出来ない事が分かった。
↑[上へ]