身体のほとんどの部分はたん白質でできています。「たん白質」を構成する「アミノ酸」は全部で20種類あります。
アスパラギンセリンアスパラギン酸グルタミングルタミン酸スレオニンアルギニンヒスチジングリシンリシンチロシントリプトファンシステインメチオニンプロリンフェニルアラニンアラニンバリンロイシンイソロイシン
このうち9種類(
赤字表記)は
「必須アミノ酸」と呼ばれ、人間の体内で合成できず、食品から摂取しなければなりません。また、「必須アミノ酸」は9種類すべてをバランス良く摂らねばなりません。9種類があるバランスで一セットになって初めて効力を発揮するからです。このとき「アミノ酸スコア」が1、と言います。
例えば小麦粉の場合、9種類の必須アミノ酸のうち「フェニルアラニン」などは豊富に含まれますが「リジン」は少なく、そのため「9種類の一セット」はこの少ないリジンの量に合わせてしかできません(アミノ酸スコアは4割程度)。そのため麺やパンなどが主食の場合、リジンを多く含む豆類や乳製品などと一緒に摂ると良いのです。
ベジタリアン料理では、いくつかの植物性食品を組み合わせる必要があります。動物性食品には「必須アミノ酸」のすべてが含まれますが、一種類の植物には「必須アミノ酸」の全ては含まれないからです。2〜3時間内に9種類が揃うように食べられればよいです。
ただし「畑の肉」といわれる
大豆は例外的に、アミノ酸スコアが1.00ですべての必須アミノ酸を含みます。
従来、大豆たん白は「メチオニン」という必須アミノ酸が少なく、「アミノ酸スコア」が8割程度と言われましたが、最近の栄養評価方法の「たん白質消化吸収率補正アミノ酸スコア」(PDCAAS)で測定すると、
牛乳や卵のたん白と同様、スコア1.00の最高点であることがわかりました。
「たん白質の栄養評価は、1919年から長い間、PERという方法で行なわれてきました。この方法では、一般的には成長期ラットの試験結果を参考にしてアミノ酸の必要量を出しています。これが結果的に動物性たん白質を過大評価し、大豆たん白を過小評価することになりました。なぜならラットは体毛の増加のために、ヒトよりはるかに多くのメチオニンを必要とします。しかし大豆たん白は動物たん白質よりメチオニンの含有量が少ないために、栄養価が低く評価されていたのです。
1985年、FAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機構)とUNU(国連大学)は、図2に示したように必要なアミノ酸の量、すなわちアミノ酸評価パターンを4つの年齢グループ別に発表しました。その結果、これに基づいた大豆たん白のアミノ酸スコア(AAS)は、乳児を除く2歳以上のすべての年齢層で1.00と評価され、栄養的に優れたたん白質であることが確認されました。なお、乳児の評価パターンは母乳のパターンを基準としています。
その後も評価方法に改善が加えられ、1990年には消化吸収性を加味したPDCAASが、新しいたん白質栄養評価方法として推奨されました。この栄養評価方法でも大豆たん白は、牛乳や卵と同じ最高点を獲得しています。そして1993年、FDA(米国食品医薬品局)はこのPDCAASを新しいたん白質評価方法として導入しました。」
植物性食品の組み合わせ方は
「穀物+豆類」です。
例)ごはん+納豆や豆腐、豆の煮物
例)ひよこ豆のカレーライス
例)パン+ピーナッツバターやレンズ豆パテ、エンドウ豆スープ
植物性たん白質と動物性たん白質は分子の大きさが違い、植物性たん白質は分子が大きく、胃腸での吸収率が劣ります。
そのため、大豆を摂る場合でも
納豆、味噌、テンペなど大豆発酵食品(菌の酵素により分子が小さく分解されている)が良いです。たん白質の消化吸収率は煮豆68%に対し、納豆は85%となっています。また、
豆腐のたん白質消化吸収率は約95%といわれ、豆腐に含まれるたん白質は、ほとんど無駄なく消化吸収されるとのことです。
たん白質の消化を助けるもの(たん白質分解酵素)と一緒に摂ると効果的。
ショウガにはたん白質分解酵素があり、大豆たん白製品などをショウガで漬け込むと柔らかくなります。ただしチューブ入りのショウガは、この酵素の働きを抑えていますので生のものを使いましょう。
マイタケや、ぬるぬるしているもの(
山芋、おくらなど)もGOOD。
パパイア、パイナップル、キウイ、イチジクなどにも「パパイン酵素」「ブルメリン」などのたん白質分解酵素が含まれます。同じくたん白質性のものをこれらの果汁に漬け込むと柔らかくなります。ただし、缶詰のものは加熱処理のため酵素が失活してますので、生のものを使います。
生菜食(低エネルギー,低たん白食)者の栄養状態とたん白質代謝に関する研究
AU:奥田豊子, 片山洋子, 三好弘子, 巻田知恵 (大阪市大 生活科); 山口雄三 (大阪府大 総合科)
JN:Y0620A (0387-4141) 必須アミノ酸研究
VN :NO.121 PAGE.31‐35 1989
(要約)生菜食者のエネルギー及びたん白質の摂取量は所要量の50%ほどであったが、1年後の体重は10%しか減少しなかった。調査の結果、尿素態窒素が体たん白質の合成素材として利用されていることを確認した。
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