ベジタリアン情報ページ
ベジタリアンとは?
草食/肉食/雑食
1) 草食動物のしくみ
 草食動物であれ、いかなる脊椎動物も、自分の力で植物のセルロース(食物繊維)を消化することは出来ません。草食動物は微生物の力を借りて、必要なエネルギーと栄養を摂取しています。

[反芻]
 牛は草しか食べないのに、巨大な身体、太い骨格を持ち、膨大な量のミルクを生産します。
 しかしそれは容易なことではありません。牛は毎日35kgもの草を、半日の間休みなく食み続けます。そしてさらに6〜10時間を反芻に費やします。牛の胃の容量はドラム缶1本分、腸の長さは60mです。
 草の消化は4つの胃とその中に住む微生物によって行います。
 まず1、2番目の「反芻胃」に住む「嫌気性バクテリア」群による酵素分解によって、牛はエネルギー源(酢酸、酪酸などの低級脂肪酸)を得ます。
 「嫌気性バクテリア」は動物タンパクに似たアミノ酸組成を持ちますが、同じ胃の中に住みこのバクテリアを捕食する「繊毛虫類」はさらにアミノ酸スコアの高い「微生物タンパク」で出来ています。この「繊毛虫類」を第4胃で消化することによって、牛は良質なたん白質を摂取しているのです。
 牛の他ヤギ、羊、ラクダ、キリンといった偶蹄類が反芻をします。

[後腸発酵]
 馬やウサギなどは草食ですが反芻は行いません。同じく微生物の力を借りますが、後腸発酵という方法で草を消化しています。
 馬は腸の長さが39m。盲腸と結腸が大きくて長いのが特徴です。腸壁にはヒダやクビレが多く、ゆっくりと内容物が流れる間に微生物発酵を行い、セルロースを消化・吸収します。
 ウサギは盲腸が非常に大きく(胃の10倍)、ここで微生物による発酵を行っています。しかしここで作られた栄養分は、盲腸より前の位置にある小腸でしか吸収できません。そのためウサギは、一旦「盲腸便」という便を排泄してこれを再び食べるという方法によって栄養分を得ます(自分の口をお尻に寄せて「盲腸便」を飲み込む。食べる必要のない本当の便は、コロコロした別の形状をしている)。
 しかし草食動物でもたん白質が不足していた場合、動物を捕食することがあるそうです。
 その他ゴリラ、カバ、ゾウなどの大型動物も草食動物です。

2) 肉食、雑食動物のしくみ
[肉食動物]
 肉食動物は単胃動物で、盲腸は発達していません。
 肉食動物は噛みちぎった肉を飲み込み、胃の強力な消化液で消化します。腸は比較的短く、速やかな排泄を行います。猫などはでんぷん質の消化酵素を持たず、植物食は困難です。肉食動物は捕食した動物の肉、内臓や骨、またその胃の中にある半消化された植物からも栄養を得ます。ライオン、ヒョウなどネコ科の動物、狼、猛禽類、などが肉食動物です。

[雑食動物]
 雑食動物も単胃動物で、体長の割に腸が比較的長く(人間では肉食中心の欧米人4m、農耕文化の日本人7m)、盲腸はそれほど発達していませんが、腸内細菌による食物の発酵分解も行っています。イタチ、タヌキ、ネズミ、熊、豚などが雑食動物です。
3) ヒトは植物をどう食べる?
 ヒトは地球上に広く分布し、環境に応じて様々な食文化を持ち、植物も動物も食べています。

 世界の「長寿地域」では一般的に野菜や穀物、果物、海産物、ヨーグルト等が多食されていると言われます。グルジア共和国や沖縄などの長寿地域では高齢者もたくさんの肉を食べていますが、この場合、何度も茹でこぼしたり串焼きにしたりして肉の脂肪を極力落とす調理をしています。同時に、身近に採れる新鮮な果物や野菜を豊富に食べています。

 タンザニアのマサイ族の食生活は、1日に3〜10リットルもの発酵した牛乳を飲むといったもので、これに皮付きのまま粉にしたトウモロコシやときどき牛の血を混ぜて飲むことで食物繊維や鉄分、ビタミンなどを加えています。

 一方、植物性食品をメインにした食文化もあります。しかし植物には生では食べられないものがあります。ヒトは植物のセルロースを消化できないからです。
 そこで煮るという優れた方法が生み出されました。生の状態では消化できないセルロースは、煮ると溶け、消化出来るようになります。
 また豆や野菜を乳酸菌や麹菌などにより発酵させることで(納豆、漬物、醤など)、その消化を良くし、ビタミンなどの栄養素を飛躍的に増加させ、有害物質の除去も行い、風味や味も良くしてきました。その他、茹でこぼしや水さらしなどによるアク抜き・毒抜きも経験的に行ってきました。

 穀物と少しの豆類を組み合せて食べると、人体のほとんどを構成するたん白質のもととなる必須アミノ酸を全て摂取できます。アジアでは伝統的に、納豆、漬物、醤等をおかずに大量にご飯を食べてきましたが、理にかなっているといえます。

 さらに、草食動物のような機能を持つ人達もいます。
 パプアニューギニア高地の人は、ほとんどイモ類(糖質)しか食べず、たん白質摂取量が非常に少ないにも関わらず、貧血など低栄養状態は認められず、筋骨逞しい体型を持っています。研究によると、彼らの腸には「アンモニア態窒素」を「アミノ酸」として取り込む嫌気性のらせん状細菌や連鎖状の細菌が住んでいて、これによってたん白質を得ているとのことです。このような「特殊な」腸内細菌を持つ人はパプアニューギニアに限らずいるようです。普通の人でも食生活を変えることでもある程度腸内環境が変化するようです。
≪参考webページ・書籍≫